政府労災の制度と仕組み

労災とは、ほとんどの方が熟知している言葉で、その保証内容もおおよそ検討がつくと思いますが、あまり耳にしない政府労災とは、一体どのような制度の労災なのか、以下に判りやすくまとめてみます。

政府労災保険とは、労働基準法によって義務付けられている事業主の労働災害補償責任の履行を担保とした、政府管掌の保険制度のことです。この制度は、労働者災害補償保険法(労災保険法)によって定められているもので、主に労災と言われているものとの違いや、政府労災の目的については、次の通りです。

まず、政府労災は、労働者災害補償保険法に基づいて履行される政府管掌の保険制度ということです。そして、事業主が被用者に対して負う補償責任をカバーするものです。この制度は、ほとんど全ての事業に自動的に成立するものなので、強制適用です。

では、政府労災保険の仕組みは、どのようになっているかと言うと、政府(保険者)は、毎年事業主(保険加入者)から保険料を徴収して、労働災害が発生した時に被災労働者やその遺族の方に保険給付を行う、というものです。この政府労災の仕組みを一般的に保険関係という呼び方をしています。

政府労災の適応範囲は、船員、公務員を除く民間事業の全てが対象になります。ですから、労働者を1名でも雇用している事業主は、政府労災に強制的に加入する事が法律上、義務付けられています。最近の政府労災の補償制度も、以前に比べて手厚い保障が受けられるようになったことが特徴です。